だいぶ歳をとってきて目も白くなって見えづらくなって・・・
と、よくあることですが、白くなってきたからといって白内障とは言えません。
割合的には圧倒的に核硬化症が多いです。併発するときもありますが。
違いを簡単にいえば
白内障=目の中に蛋白が付着して白く着色された状態
核硬化症=目が老化して透過性が落ちて濁った状態
で、
少し細かく言えば
白内障=目の中のレンズに蛋白が付着して変性して白色化した状態
核硬化症=目の中のレンズが硬くなって脱水し、透過性の低下した状態
です。
ちなみに、これは「典型的な」白内障です。
で、こっちは「典型的な」核硬化症です。
どっちも白く見えます。ですが、その後の経過や必要な処置が全く違います。
白内障
●白くなる速度は犬種や個体によってまちまち。一般的には早い。
●目が見えなくなりやすい。
●眼内炎になることが多い。
●時間が経つと白い部分が溶けてくるので治っていくように見える。
●だけど溶けた分、眼内炎はひどくなり、レンズが脱臼することもしばしば。
●時に眼内炎から緑内障へ発展して目の摘出が必要な時もある。
●根本的な治療は手術のみ。
●手術しない場合は定期チェックと消炎治療が欠かせない。
核硬化症
○高齢によるもので、進行はゆっくり。
○時間が経てばかなり見えづらくなるが、一般にはには時間がかかる。
○眼内炎など併発する病気はまれ。
○時間がたっても白内障のように溶けない。色が濃くなっていくだけ。
○根本的な治療は外科的に摘出だが、あまり必要としない。
○経過観察がほとんど。サプリメントを試すのもアリ。
どちらなのかは検眼鏡など眼検査機器を使うと分かります。
大体のオーナーさんは核硬化症を白内障と勘違いしているようです。
ちなみに、白内障は犬種によって好発しますから、若いうちから白くなってきたものは白内障の疑いが強いと思って下さい。
その他にも目が白くなるものはあります。
目を傷つけてしまったり刺激のあるものが目に入った時、角膜も腫れてしまいます。角膜浮腫といいます。
こんな感じになります。ちょっと青くも見えますが、光の具合によります。
大体は目の中ではなく目そのものが白く見えます。
その他にも目が白く見えるのは角膜ジストロフィー、角膜内皮変性などがありますが、角膜浮腫もそうですが白内障と間違えることはあまりありません。
もちろん治療も違ってきますので、眼の色が白かったら一度チェックして、正しい判断のもとに今後を決める必要があります。