現在、アレルギーやアトピーを持っている子はかなりいます。
犬種的に有名なのは、日本犬系、シーズー、パグなどの短頭種、キャバリア、ウエスティ、レトリバー系が有名どころですね。
アレルギーのある子の飼い主さんからの相談で非常に多いのが、
『アレルギーだからアレルギー食に変えたが良くならない。』や、
『アレルギー検査で鶏肉と牛肉に反応が出たから、
それらの入っていないフードにしたけど変わらない。』
といったお話です。
このように、飼い主さんは、アレルギーの改善法としてアレルギー食に変える!ということの重要性はかなり高く感じているんだなということを実感することは多いのですが、正直なところ食事だけでアレルギーが治ることはまれだということを知っていただきたいなぁと思います。
また、同じ種類のアレルギー対応食であってもフードメーカーによって反応が異なる、アレルギー検査においても検査会社よって結果が違うということは良くある事なので注意が必要です。
そもそも、食事アレルギーだけであることは少ない。
環境アレルギーの方が圧倒的に多いのです。
さらにはホルモン異常が大きな要因になっていて、原因が複雑な場合も少なくありません。その場合、二次感染で細菌やダニの感染を起こすことも多いので、治療は長期にわたります。
では、アレルギーはどのように治療していくのが望ましいのか、ということですがこれにはまず原因をできるだけ特定することが大切になってきます。
もちろん、必ずしも特定できないこともありますが。。。
アレルギーの原因で考えられる主なものとその検査方法
①ノミ・ダニ、花粉、カビなど ⇨ アレルギー血液検査
②ホルモン異常 ⇨ ホルモン血液検査
③食べ物 ⇨ 食物アレルギー血液検査、除去食試験
④その他 ⇨ 投薬の反応などから推測
⑤遺伝的な皮膚の形成異常 ⇨ ①~④、皮膚組織検査、症状から総合的に
ではどのように治療していくのか?ですが、
基本的な治療は
●二次感染を除去する
●ホルモン異常や影響する内臓疾患があれば先に治療する
●原因らしい物質をできるだけ遠ざける
●薬用シャンプーやサプリメントで皮膚のコンディションを整える
●内服薬(様々な種類があります)を使う
●インターフェロンを使う(時期に条件があります)
●減感作療法をする(原因に条件があります)
です。
昔はステロイド投与一辺倒でしたが、最近は色んな方法が出てきました。
(使い方次第でステロイドは今でもとても便利な薬です)
費用もシクロスポリンなどは高くて大変でしたが、
やや安くなった良い薬も出てきました。
アレルギー食も品質が上がり、インターフェロンも情報が増えました。
減感作療法も(条件付きですが)可能になりました。
ただ、今も昔も変わらないのは、
治療時間の確保と病態の理解に努力が必要な点です。
大変だと思いますが、昔に比べたら随分良い状態でコントロールできる
ようになり、副作用も減りました。
報われる事がかなり増えた分野と言えるでしょう。
是非、相談していただきたいと思います。