「ハムスターは、とても腫瘍と膿瘍ができやすい」
と言うのは獣医師にとって常識です。ですが飼い主さんにとってはそうでもないようです。よく驚かれます。
腫瘍というのはいわゆる「癌=悪性腫瘍」も含め、良性の腫瘍もあります。
膿瘍というのはいわゆる「化膿=膿んでいる」ことです。
どちらも皮膚が膨らんだり赤くなってきますが区別はすぐにはできません。
見た目だけで判断は出来ません。
例えば・・
この子は鼻に潰瘍ができていますが、腫瘍や皮膚炎ではありません。
実は口の中からの化膿が広がって鼻の中を通過し、表面に現れたものです。
口の中は奥の方に大きな欠損が見られます。
化膿が広がって口の奥を溶かしていて、大きな穴となっています。
この子の場合は中々口の奥を触らせてくれなかったので軽く鎮静と鎮痛をかけてから初めて判明しました。
腫瘍に見えても化膿の場合もあるし、
膿瘍に見えてじつは奥に腫瘍があったりします。
化膿だけであれば処置と薬で良くなることが多いですが、腫瘍の場合は手術が必要になる時があります。
完全に治ることも多いですから、何か皮膚が膨らんだり赤くなったり臭ったりすれば、早めに診察に連れてきて下さいね。