病気になる前に普通の時のデータを確保しておくという事は非常に重要です。
例えば肝臓は、人と同じように、悪くなっても症状はめったに出ません。何かの時に肝臓の値が上がっていたとしてもそれが前々から高かったのかどうかは分かりません。急に上がってきたのかどうかは診断に大きく影響します。そんな時のため、その子の普通の時の基準を入手しておくのです。
また、元々子宮の拡大傾向があるとか腎臓に何かあるかもしれないとか分かっていれば、万が一状態が悪くなってかかりつけの病院が休みだったとしても、状態を伝えやすくなり、スムーズに話が出来るかもしれません。
当院では各動物の特徴に合わせた、有用であろう検査を主に健康診断を行います。状態によって変更したり追加もしていますし、持病があればそこを中心に検査をします。ストレスが強ければ無理はしませんし、代わりの検査を提案したりします。
例えば犬猫は血液検査も比較的容易で、ある程度検査標準も確立されていますから血液検査は有用な健康診断ツールです。鳥は糞便検査で色んなチェックができます。ウサギさんは血液検査やレントゲン検査、フェレットは身体検査と血液検査などが有用です。
その他の種類の動物では採血がストレスになったり正常値が確立していませんので、基本的には身体検査や問診・触診・聴診が主になります。
結果、異常があったとしてもそれが生活上不自由でなかったり、健康を脅かすほどでもなければそのまま様子見をすることも多いです。また療法食や軽い薬を常用することもあります。生活環境やオーナーさんの状況によっても出来る事は変わってきます。ですので、最終的にどうすべきかは総合的に考えて提案して決定しています。